Thursday, January 15, 2015

~A little bit of kindness~ 其の四

ロッキングチェア事件があってからのある日、Eちゃんが一人で遊びに来た。
すると、何かの話からEちゃんがまたあのロッキングチェアの話を持ち出した。

「みぃ、なんでやったの?」

娘は、「やってない」と言い、すねてこたつに潜ってしまった。

「責めてるわけじゃないよ、なんでやったの、って聞いてるだけだよ。」

これは、何か言わねばならない。

「見ていないから私は何とも言えないけど、みぃはやってない、って言ってるよ」

「でも、私は見たもん、みぃが押したところ。K(妹)がみぃに押せって言ってるのも聞いたし、みぃの手が押して伸びてたし。」

「本当に何が起こったのかはみぃとKしか知らない。だから、もうそれについては話すのはやめよう。みぃも嫌がってるしお父さんも、もう話さなくていいって言ってたでしょ?」

「だって、見たもん。やったところ。」

もう絶対に自分が正しいと言い張る。

「うん、でもさ、もうその話はやめよう。みぃもEちゃんがその話するから悲しいってよ。親友なら嫌がることしないよね。」

すると、娘がこたつから泣いて叫ぶ。

「それで悲しいんじゃないよ、Eちゃんが自分を信じてくれないから悲しんだよ!」

「だって、見たもん。」

ここで私もかなりカァーっとなっていた、はい、かなり・・・。けど、抑えて

「親友が信じてくれないから悲しいんだって。」

と、話をする。すると、

「親友っていうけど、学校の遊ぶ時間に遊んでくれないじゃん!」

「みぃだって他の子と遊びたい時があるからさ、Eちゃんも一緒にみんなで遊べばいいじゃない?」

というけど、この後もずっと、自分はドラゴンとかになりたいのにみんなはプリンセスの遊びしたがる、だとか何かと文句を言い続ける。
そして、プリスクールの時の話も始める。Aちゃんが自分のところに来て
「あんたのこと嫌い、もう友達やめる!」と言ったそうな。

同じプリスクールではないのでAちゃんのことは知らないけど、今になって何となくわかる。
きっと、その前にいろいろと経緯があったんだろうな、と。

「誰も自分のことを好きじゃない」

これは、学校へ行き始めてすぐのころに帰り道にEちゃんがお父さんに言っているのを前にも聞いたことがある。

そこで私はEちゃんを私の膝に座らせて抱きしめながら
「私たちは好きだよ」
と、言った。すると、絶対に泣かない彼女がポローッと涙を流した。

そして、その後みぃと仲直りをさせて二人のご機嫌は直ったのだけど、私はこの子はself-esteemが低いのだと思った。

「自分のこと好き?」

と聞いてみる。

「No」

「まず、自分を好きになろうよ。私たちはEちゃん好きだし、Eちゃんの両親だってEちゃんのこと好きだよ。」

というと、

「両親は自分のことを好きじゃない。」

と言う。

「そんなことないよ。この間お母さんが仕事が忙しくて寂しいってメールくれたよ。お父さんだって好きに決まってるよ。」

というと、

「だって、みぃのお母さんみたいにしてくれないもん。」

これを聞いて私は確信した。やっぱりうちとの違いを感じてるんだなと。

Eちゃんの両親はいい人たちなのだけど、お母さんは忙しくて子供たちと一緒にいる時間が少なく、夜働いているお父さんが一緒にいる時間が長い。さらに、眠たいお父さんも子ども二人にイラつくのか私たちの前でもEちゃんには命令口調で厳しく言う。

お化けも、モンスターも何も怖いものがないと言っていたEちゃんが
「じゃぁお父さんは?」
という質問に、まさに顔が凍り付いたことがあった。

怖い存在であり、でもそれでもお父さんからの愛を受け取りたくて学校でのこともとても被害者的に話をする姿をよくみた。
お父さんとの会話を聞いていて、お父さんにはよく思われたい、悪いのは自分ではない、同情してよ、という感じがとられた。

こんなEちゃんの欲求に早く気づいてあげてほしい、でないとEちゃんは嘘で身を守ると言う方法で道を外し始めている、と夫といつも話をしていた。


ーつづくー

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